地方公務員(土木)の勉強法【入門書】
こんにちは、とと丸@famiru99 です。今回は、地方公務員(土木)になってから10年目までの「若手」を対象として、勉強法や優先的に取組むことなどを解説します。
※本記事は「note」で公開していたものを引っ越ししました。
1点目は、はじめに
2点目は、新入社員の間違った認識を知る
3点目は、近年の仕事の変化を知る!
4点目は、1年目から3年目に重点的に学ぶもの
5点目は、4年目〜10年目に重点的に学ぶもの
6点目は、最後に
はじめに
公務員になるための勉強法はいろんな本やブログ等から確認することができます。でも、公務員になってからの勉強法や仕事の優先事項など、”一番最初に知りたいなと思うこと”ってわからないことが多いですよね。
土木職員の多くが、土木の専門技術を高めることを考えていますが、”土木の仕事は設計・工事ばかりではない”状況です。
よく新入社員からいただくよくある話は
”技術士を目指します”
”CADを一刻も早く習得します”
などなど・・・
けっして間違ってはいないし、土木技術者としてこれらに着手することは重要であると考えます。しかし、地方公務員の土木職として働くのであればそれだけでは不十分です。
例えば、あなたは
☑「文章」で十分な説明ができますか。
☑「資料作成」が十分にできていますか。
☑「所属課の課題」をどう対処しますか。
地方公務員になって思うのは”学習する範囲が非常に幅広い”ことです。課題も次から次へと対処する必要があります。このことから、勉強法や優先順位を早期に把握して、早めに学習していく必要があります。
それを理解していないと、特定の仕事しかできない職員になってしまいます。
1章 新入社員の間違った認識を知る
① 仕事内容・必要な資格
土木職員は ”まちづくり全般の仕事が業務範囲”となります。そのため、仕事は設計・工事に限らず、住民対応といった現場対応が多い部署から、市のまちづくりの方向性を計画する部署など、たくさんの仕事があります。
そのため、資格取得を進めるならば、技術士や土木施工管理技士よりも、まずは「宅建士」が重要!と私は日々説明しています。
例えば
☑都市計画道路、都市計画公園、市街地再開発整備など、大型案件の仕事に運良くつけたあなたの仕事は調整がメインとなるでしょう。この時に必要となるものは幅広い法令知識でしょう。
☑道路部署についたあなたの仕事は工事以外の、苦情対応や占用許可など仕事につくことが多いでしょう。この時に必要となる知識は道路法や民法となるでしょう。
☑用地部署についたあなたの仕事は、用地取得や用地補償を行うことになるでしょう。この時に必要となる知識は、不動産登記法や都市計画法、補償制度全般になるでしょう。
このように、公務員はいろんな法令の理解が必要となります。まずは、工事以外の仕事がたくさんあるという認識をもつことが大事です。
新入社員は少しでも早く仕事ができるようになる必要があります。そのような中で資格取得を目指していくのであれば、まずは浅く幅広い知識が学習できる「宅建士」がおすすめです。
(参考)宅建の出題範囲
・民法(★5 全部署)
・借地借家法(★2 用地部署)
・都市計画法(★4 都市計画)
・建築基準法(★4 道路、都市計画など)
・国土利用計画法(都市部では使わない)
・農地法(★4用地課、道路課、都市計画)
・宅地造成等規制法(不要)
・土地区画整理法(★3区画整理課)
・宅建業法(不要)
・その他、税金等の知識(★2 全部署)可)
※このように、宅建士には幅広い内容が含まれています。特に、宅建の民法は法律初学者向けの内容ですので、特におすすめです。
② 仕事の優先順位
続いて仕事の優先順位についてです。あなたが、設計・工事以外の職場に配属された場合、専門知識の向上は最も優先順位の高いものではありません。正しい優先順位は、
①「まちの課題把握」「事務処理能力の向上」
②「法令と専門知識の向上」となります。
「まちの課題把握」を表現を変えていうなら、まちで起こっていることを知ることです。
例えば
☑ 自分の仕事は何故行っているのだろうか。
☑ 所属部署は、現状と課題をどう認識しているのか
☑ 予算の措置状況は。財源は。
などなど、知らないことがたくさんあると思います。
まずは、まちの課題を把握したうえで仕事に取り組む姿勢がなによりも重要であります。その把握の方法として、自分で調べることも重要ですが、日々の会話の中で教えてもらうことも重要です。例えば、あなたは土木職で仕事を行いますので車で移動することが多いでしょう。車内の会話ではプライベートの雑談も もちろん大事ですが、仕事の会話ができる良い機会です。こういった時間では、いろんなことを質問してみましょう。あなたの知識はどんどん増えていくはずです。
車内の会話は一つの例ですが、結局”あらゆる機会を逃さない”こと、これが大事です。
まちで起こっている色々なことに興味をもって進めていけば、学習機会が一気に向上します。
これは、いつか仕事として従事する他部署の仕事を早くから勉強していることになるものです。ぜひぜひ、「まちの課題の把握」からスタートしましょう。
続いて優先順位の高いものは「事務処理能力の向上」です。
ここでの事務処理能力とは、業務全般で使う、「文書作成能力」「資料作成能力」のことです。私は10年以上、公務員として仕事を行っていますが今でも、文書の作成で指摘を受けることがあります。
文書は日常的に作成するものであり、また、所属部署の業務の方針を決めることや、計画を策定するなど、重要な決定を行う際に必ず必要となります。
習得には時間がかかるので、早めに着手し文書を気にしながら業務を進めてください。
資料については、思った以上に作ることが多いでしょう。委員会資料、計画で載せる資料、住民に配布する資料などなど、これも日常的にあなたの業務となるものです。
“文書作成能力“ ”資料作成能力“どちらも共に、慣れてないと時間がかかります。ぱっぱっと終わらせれば、他の業務ができますので、とても大事なものです。
③ 仲間づくり
仲間づくりは職場内部と外部がありますが、このブログでは外部の仲間づくりを解説します。
東京都の自治体の新入職員であれば、府中の自治会館で合同の研修を受けることになります。この研修の後は、通常、合同の飲み会が行われることが一般的です。
※現在は、新型コロナが流行してからは小規模にしか行っていないそうです。
私が新入職員の時は、とりあえず研修で一緒になった人と連絡交換をしていました。いつか、仕事でこのつながりがいきてくるのかなと思っていましたが、基本的には仕事で一緒になることはなくそのうち連絡をとらなくなりました。
一方で、仕事の進めていくなかで、分からないことを教えてもらうために連絡をとった人とは、お互い助け合う関係が構築されています。公務員同士は利害関係もないことから、何でも教えてもらうことができますので、気にせず教えてもらいましょう。簡単な内容は電話で教えてくれますし、訪問して直接教えてもらうこともいいと思います。
私は仲間づくりは、研修や飲み会よりも、仕事の中で増やしていくことが重要だと考えます。
・資格取得は「宅建士」から目指す方が良い。日ごろから幅広い知識を学び、様々なことに目を向けよう。
・土木技術よりも、まちの課題把握、事務処理能力の向上が大事。あなたのまちが抱えている問題、課題を知り、基礎的能力の向上を心がけよう。その先に専門技術の向上があります。
・公務員同士は仲間。気にせず教えてもらう姿勢が大事。積極的に動いた結果として、つながった仲間こそ、将来に渡ってあなたを助けてくれます。
2章 近年の仕事の変化を知る!
私は2010年に地方公務員となりましたがおよそ10年程度の間に、土木職員の仕事も大きく変化していると感じます。本章では、土木職員として知っておいた方がよい事例を少しだけお伝えします。
① 土木構造物の点検が義務化
平成24年の笹子トンネル天井版落下事故を受け、構造物に対して5年に一度の点検が義務付けられました。
基本的に大きな構造物に対しては、業務委託で点検と評価を行いますが、小さな構造物は予算がつけられないことが多く、自前の点検を行っていることも多い状況です。
土木職員として、新たな仕事が増えることは悪いことではありませんが、劣化の評価は多くの事例を知っていないとわからないことが多く、難しいと感じることも多い仕事です。
② 補修の計画策定
土木構造物の補修計画など、土木職員も計画を策定するケースが増え、高い事務処理能力を求められることが多くなりました。
これも①番と背景は同じですが、点検、診断の結果を受け、どのように計画的に補修や
更新を実施していくかについて、財政負担の平準化をしつつ、計画を定めるスキルが求められるようになりました。
③ 民間活力の導入
今まで計画・設計・工事・管理など、あらゆる面で土木職員が直接仕事を行ってきましたが、近年では、民間技術を活用した事例が増えました。これに伴い土木職員の仕事も、意見の取りまとめ役となることが増え、役割が変わってきています。
分かり易い例では、公園内にカフェができる例が増えましたね。豊島区の池袋周辺がきれいになりましたので、詳細は以下を確認して下さい。
④ AI等の高度技術の活用
地方公務員の仕事の中にも高度な技術を利用する事例が増えてきました。
例えば、
・道路の路面状態をAIが判断する事例
・GISを利用したシステムの利用
・スマホを利用した情報収集ツールなど
次々に新たな技術が生まれ、それを使いこなすスキルが求められます。日々、アンテナを張り情報を収集していくことが必要となりました。
⑤ youtube、SNSの活用
2010年の頃の情報発信は、市報、HP位しか使っていませんでした。しかし、近年ではyoutubeで説明会の動画を配信したり、Twitterで出来事を発信するなど、情報発信の仕方は本当に多様化しました。また、アンケート収集では「Googleフォーム」を活用します。地方公務員はプライベートでこれらを使っていなくても、これらのツールを使いこなすスキルが必要となりました。今後も新たに生まれたSNSなどに対応していかなければなりません。
・土木構造物の点検・評価、計画書の作成などの仕事が増えている
・一方、都市公園では民間技術を活用して整備するなど、土木職員が主体的に行っていたものから変化している。
・新たな技術、ツールに対応していく能力が求められている
3章 1年目から3年目に重点的に学ぶもの
3章では、入庁の初期に学習する具体的ものを解説します。
① 自分のまちの課題を知る
まちの課題を知るには、議会・委員会の議事録と、職員が作成している想定問答がとても勉強になります。
議事録はインターネットで誰もが確認することができます。想定問答は、所属した組織の共有フォルダにあると思いますので、まずは自分の所属している係のものを確認しましょう。その後、他の係の作成した部分も目を通すことで、所属している課全体の仕事が良く分かるようになるはずです。
あとは、土木職員であれば「まちを歩く」ことや、「公園を利用する」ことも、まちを知るうえで重要です。
② 文章ルールを学習する
職員が作成し、住民などに配る資料はたくさんあります。各々が勝手に作成してしまうと、統一感のない文書となってしまうため、通常、自治体毎に統一的な文書の書き方を定めているはずです。
例えば、私が所属している役所では
☑及び、並びにの使い方では前後に句読点をつけない
☑取組では、みを入れない などなど。
あくまでも、その役所でしか使わないものですが、ここがちゃんと把握していないと仕事の直しが多くなります。また今後、新入社員を教える立場になった時に、ここをしっかりと覚えていないと文書の確認ができません。
覚えることは多いですが、少しずつ気にしながら進めましょう。
※公用文の本はたくさん出ていますが、土木職員ではそこまでの知識は必要ありません。
③ 資料づくりのコツとテクニックを知る
ここも②文章ルールと同じように、きれいな資料が作成できないと上司から手直しを受けることが多くなり、全く仕事が進まなくなってしまいます。
資料づくりは若手の段階からたくさんすることになると思います。資料をうまく配置して「魅力的な資料」を作成できるようにしましょう。
資料作成は若干センスを必要とするものですが、ある程度パターンがあります。
まずは、以下の本が大変参考になります。
※ビフォーアフターの方はレベルが高いため、目を通す程度で良いと考えます。
④ 法律学習をはじめる
民法をこの時期に勉強しましょう。民法は物事の考え方の基本となるものです。
初めてやる人には若干難しく感じますが、業務で必要となるものです。ただ、すべての範囲を勉強する必要はなく、まずは「物権」のみでよいと思います。余裕ができたら「債権」も勉強してみて下さい。宅建士のテキストが大変簡単で勉強になります。
※宅建士のテキストですが、この本は民法が対象ですので受験しないかたにもオススメです。
⑤ 業務委託の報告書から学ぶ
過去の業務委託の報告書はできる限り確認しましょう。業務の進め方がよくわかるはずです。分からないことは当時の担当者に確認して、それでもわからなければ委託業者の担当者に質問してもよいと思います。
公務員の良いところは、質問できる相手が必ずいることです。先程の委託業者の担当者の他にも、他の自治体職員に質問することも可能です。
教えてもらうことにちゅうちょする必要はありません。どんどん勉強して、今度は自分が教えられる立場まで成長しましょう。
⑥ CADと積算を学ぶン
CADについては、設計・工事でなくても早めに操作方法は学習した方がよいでしょう。今後必ず使うことになります。今はAutoCADが一般的です。有料ですが、一ヶ月程は体験期間があるので、自宅で簡単な操作は覚えてしましょう。今のうちに慣れてしまうことが大事です
4章 4年目〜10年目に重点的に学ぶもの
① 他市と比較して自分のまちを知る
3年間で自分の自治体が抱える問題や課題を把握することができたと思います。次は他市の問題と課題を、比較して自分のまちを把握しましょう。この時も同様に議会議事録から学習することができます。
他市もあなたのまちと同じ課題を抱えているかもしれません。けれども、その対応はあなたの自治体と違う方法をとっているかもしれません。比較して学習することであなたはいろんな課題対応について学習することができるのです。
また、他市の先進的な事例は本になっていることが多く、本の方が詳しく理解することができオススメです。
② 行政法規を知る
都市計画法、道路法、不動産登記法、建築基準法など、幅広い行政法規についてある程度わかるようにしましょう。どれも土木職では基本となる法令です。
ただやみくもにインプットしてしまうと、忘れてしまうので、アウトプットしながら進めるのが良いと思います。宅建士のテキストと問題集はそういった点でオススメです。
道路のトラブルについては、事例集を一度でもよいので頭に入れておきましょう。これは工事担当部署についた人も必須の知識です。
不動産登記について勉強をした人は少ないと思います。概要だけでも知っておく必要があります。
③ 議会答弁の型を知る
3年目から10年目までのあなたは、説明会で答弁をしたり、一般質問の答弁も考える機会があると思います。基本は係長以上がやっていることが多いと思いますが、いつでもできるレベルにしておいた方がいいと思います。
こういった本も読んだことがありますが、私は自分の自治体の答弁をたくさん読むことが何よりも重要だと思います。
④ 資格に挑戦し、自分の能力を示す
資格は膨大な時間がかかるため、一度手をつけてしまうと他の勉強ができなくなってしまうため注意が必要です。一方、資格取得といったゴールのある勉強は、必ず一定の力がつくことや、頑張っていることが明確に伝わるため、ある程度資格を取得しておくということも社会人として重要です。そのため、職場内の仕事がある程度こなせるようになった段階で進めるものであると考えます。
このブログでは「宅建士」を特におすすめしています。その先に、土木施工管理技師(1級)も余裕があるなら目指した方が良いと考えます。
※市町村レベルの職員では「技術士」を取得している人は少ない状況ですが、東京都の職員は持っている方が多い印象を受けます。
⑤ 政策提言力を身につける
私が最終的に身に付けてほしいと考えているのはこの政策提言力です。もしくは表現をかえて、課題解決能力です。
あえて最後まで伏せてきたのは、この力を身に付けるためにはたくさんの勉強や経験が必要となるからです。2章の中でも「補修の計画策定」が多くなってきていることを解説しましたが、それ以外にも、まちづくりの方向性を示す計画策定において土木職員として中心的に携わることが多くなってきています。この計画策定において、課題に対する政策提言力が強く求められます。
私の例で言うと、「舗装の維持管理」「生活道路の拡幅」「用水維持管理」「農業公園整備」の計画策定を行いました。その中で常々思うことは、日々、他市のことを勉強してきたことや、現場見学等のこれまでの知識・経験の全てがなかったら、計画の策定はできなかったと思うことです。それほど計画策定は難しいものです。
まずは本で学んでみましょう。
最後に
1点目、新入社員の間違った認識を知る
2点目、近年の仕事の変化を知る!
3点目、1年目から3年目に重点的に学ぶもの
4点目、4年目〜10年目に重点的に学ぶもの
※ご不明な点があれば、お問い合せフォーム、または、Twitter”とと丸@famiru99”までお問い合わせ下さい。
土地家屋調査士試験 体験記⑫ 基礎固め+時間管理の徹底
独学で行う土地家屋調査士試験 体験記⑫(2年目2回目)
現在:勉強時間1322時間(1年目+572時間)
こんにちは。とと丸@famiru99 です。久々の更新となりました。
2年目は勉強に対するモチベーションが下がることが多く、どうしても時間を確保することができない状況が続いていました。
その影響でブログの更新もすることができず、見ていただいていた方々には大変申し訳ない結果となってしまいました。申し訳ありません。
さて、今回のブログの作成日は令和4年の1月22日です。
実は、令和3年度の試験が終わり、現在「口述試験」に向かって勉強中です。
大変苦労しましたがなんとが一歩前に進むことができました。
今回独学で進めてきた中で気づいたことはたくさんありましたので、そのあたりをどこかで書いていけたらと考えています。
試験結果の詳細については、次回のブログで書いていきたいと考えています。
今回のブログでは、いつも通り、どんな勉強を行ってきたかについて書いていきたいと思います。
1 令和3年2月初旬〜4月末まで
この時期については、択一対策をずっと行っていました。特に不動産登記法(総論)と、少し苦手意識のあった、区分建物に力を入れていました。
実は1年目の時は細かい点まで覚えてはいなかったことが多かったようで今回は時間をかけて丁寧に勉強しました。
2 令和3年5月初旬〜6月末まで
この時期は記述の勉強を行いました。令和2年度試験から一切記述の勉強をしていなかったので、前回のレベルまで戻すのに1月程かかったかもしれません。やはりずっと継続しておくべきでした。
さて、この期間では1年目で不足していた、作図と細かい減点がなくなるよう基礎固めに力を入れました。
3 令和3年7月初旬〜試験日まで
この時期は全体的に学習を進め、初めて模試も受けてみました。東京法経の模試は7月に終わってしまってうんですね。しかたないので、LECの模試を9月11日に受けました。
この時期に一番気にしていたことは、”時間内の完走は本当にできるのか”です。本当に不安でした。ここで間に合わなかったら・・
結果は10分程時間があまりましたので、なんとかスピートは問題ないとこまで達していたようです。しかし、全体的に点数が低く、散々な結果でした。
今思うとこんな結果でよく令和3年度試験に合格できたものだと思います。
☑この時期に、使用した教材などでよかったもの
①土地家屋調査士受験100講 理論編
オススメ度合:★★★★★
理由
1年目の時から購入していたものになります。あらためてしっかりと読んでみると、説明が非常にわかりやすい本となっていました。択一で解けなかった難しいと感じた問題も、全てこの本に細かい説明が書かれていました。
土地と建物って基本的には同じ登記になりますが、実は同じように考えると混乱してしまうことってけっこう多いんですよね。
例 増築による建物表題部変更登記 → 所有権証明書が必要
土地が増えたことによる土地表題部変更登記 → 所有権証明書が必要?
※実はこのケースはありません。土地については、変更で増えることはない
対比して書かれている方が理解が深まることってけっこうありました。
この本は初学者が最初に使うものではありません。文量も多く少し理解した状況でないと最後まで読むのにけっこう時間を要します。
ただ、説明は非常にわかりやすく、説明の切口が東京法経の本と違うので大変参考となります。1年目で気づいとくべきでした。文句なしの★5です。
○最後に
気づいたことを最後に記述します。
どこかで今までの気づきについてまとめたものについても作成する予定です。
・土地家屋調査士受験100講 理論編 は必ず使ったほうがよい
・択一対策では古い問題(平成17年度以前)もやったほうがよい。
その時に択一過去問マスターの古いタイプが使える
・模試はLECでもよいので、受けたほうがよい
記述の間違った部分について、丁寧に赤書きで解説してくれます
・過去問から近年の出題傾向を予測することが重要
1 土地の記述で等積交換する問題はでない
→方程式を使う問題はでない。
2 建物の申請書で区分建物の区分登記など、難しいパターンはでない
3 記述は細かい論点が出されて減点要素が多いので、難しい問題になれる
ことよりも、基礎固めを行い、確かな知識の整理が必要
土地家屋調査士試験⑨ やれどもやれども択一高得点は厳しい
独学で行う土地家屋調査士試験 体験記⑨
現在:勉強時間682時間(前回から+149時間)
※試験直前はブログ作成している余裕がなかったため振り返りながら作成します。
こんにちは。とと丸@famiru99 です。
現在の状況
①択一:一度やった問題しかないので、同じ問題をやれば高得点を取れるが、新しい問題をやったら16点位になりそう
②書式:前回と変わらず
今回は択一の仕上げにとりかかりました。
過去問の他に、手に入れた公開模試や、不動産法律セミナーの問題を解きました。
民法は手をつけている余裕がなく、民法改正は捨てることとしました。
○今回、使用した教材などでよかったもの
①択一攻略要点整理ノートⅡ 不動産表示登記編
オススメ度合:★★★★★
理由
テキスト的なものと思っていましたが、東京法経のオリジナル問題がつまった一冊です。過去問はある程度こなしてしまうと、どうしても問題そのものを暗記してしまうので、オリジナル問題を解くことはしっかりとした理解につながります。
実は、法改正で追加された「調査士方式」などを勉強するつもりで買ったものですが
そちらは書かれていませんでした。
そこを差し引いても、★5の受験生必須の本だと思います。
※値段が高いことが少し気になります。
2 中山祐介先生のブログ
理由
このブログでは中山先生のものを紹介することが多いですが、ブログも独学で進めていくうえでは重要なものとなりえました。
9つの質問については、自分も同様に不思議であると感じているものはあると思います。丁寧に説明してありますので、一度確認してみるといいと思います。
○最後に
試験まで一か月をきりました。
独学者は記述での減点が多くなると思いますので、択一での高得点が必須となりますが、18点以上は本当に難しいことがわかりました。
丁寧にひとつづつ覚えていくことが重要だと思いますが、時間がない中ではそれも難しく、問題集をひたすら解くことで勝負をしたいと考えています。
また、民法がやはり重要で、3問全てとれたときはおのずと高得点をとれたりするので、もしも来年も受験することになったら、民法も時間をかけて進めていきたいです。
今回、東京法経の「択一攻略要点整理」については、大変満足するものであり、もう少し早めにとりかかれたらよかったなと思いました。
長くなりましたが、試験までもう少し。
一緒に頑張りましょう。
土地家屋調査士試験⑧ 記述の建物と区分建物は登記申請書の暗記
独学で行う土地家屋調査士試験 体験記⑧
現在:勉強期間9.5ヶ月、勉強時間533時間(前回から+75時間)
こんにちは。とと丸@famiru99 です。
現在の状況
①択一:基準点を若干超える程度(14点位)
②書式:登記申請書はある程度理解
作図はほとんど練習していない
建物、区分建物現段階である程度解ける
今回は記述の建物と区分建物を勉強しました。
この勉強は登記申請書の暗記につきます。
その他、区分建物の敷地権の算出を理解できれば難しいところはありません。
ただし、「登記申請書」の暗記がなかなかうまくいきませんでした。
何度も何度も読んでも、問題を解くと十分理解できていないことが多々あります。
ですので、登記原因を重点的に何度も何度も解くことでなんとか克服しました。(おそらく50時間位要しました)
また、難しいものではありませんが、作図も時間がかかるためそれなりに練習をする必要があります。
ただ、やみくもに全ての問題を解く必要はないと思います。
○今回、使用した教材の評価
さて今回は記述(土地)の問題を解きました。使用した教材を評価します。
①土地家屋調査士試験 最速!書式作図テクニック
オススメ度合:★★★★★
理由
独学で作図を勉強する方は必須の本だと思います。
土地所在図、地積測量図、各階平面図、建物図面について図面毎に進め方がのっている丁寧な本です。
三角定規の使い方、作図の順番など初心者でも良く分かる本です。
その他、ボールペンなどの文房具で何が良いか書いてあるのも嬉しい本です。
独学の方は、この本と以下のyoutube動画で勉強しましょう。
令和元年度(2019年)本試験 全問徹底分析会 03記述式(建物)|アガルートアカデミー土地家屋調査士試験・測量士補試験
合格できたら、受講してはいませんが、中山さんにお礼を申しあげたい気分です。
オススメ度合:建物★★★★☆、区分建物★★★★★
理由
前回、土地のみでも評価しましたかが、今回の建物部分でもやはりとてもよい問題集でした。区分建物の同時申請の理由や、敷地権の考え方など、これ以上に分かりやすい本はありません。
敷地権のコラムは必ず目を通すのが良いでしょう。
建物の部分は若干易しすぎるので、星4つにしました。
※今回は建物・区分建物のみの評価です
③不動産表示登記 申請マニュアル【改訂3版】
オススメ度合:★★★★★
理由
これも独学で進めていくうえでは必須の本でしょう。
登記申請の各パターンを完全に網羅しているのでこれを見て練習するのみです。
若干欠点なのは、試験では出ないようなものも載っているのでそれは自分で見極める必要があります。
アガルートだと50パターンで整理しているようなので実際はそれくらいで試験対策になるのではないかと思います。
その他、添付書類の説明が非常に詳しく、今まで所有権証明書とただ書いていたものが詳細に理解できるなどテキストとしても優秀です。
○気づいたこと
①敷地権については規約がない場合、必ず床面積割合になるものと勘違いしてました。基本は土地の所有割合であり、一人で複数建物を所有している場合に床面積割合が加わるものでした。これは楽学のコラムで楽しく学ぶことができます。
②作図は本当に練習しないと、時間が足りなくなります。
○最後に
残すところ2ヶ月になりました。
Twitterで受験者の皆さんの様子を確認していますが、他の皆さんの方がはるかに勉強している状況です。
やはりこの段階で500時間程度の勉強は圧倒的に少ないのでしょう。
しかし、ここまできたら今年で受かりたい気持ちがあります。
やっと一巡して、これから精度を高めていくレベルなので、
あと300時間程はかかる気がしています。
かなり苦しい状況ですが、皆さん一緒に頑張りましょう。
土地家屋調査士試験⑦ 記述(土地)は時間内で終わらせることが難しい
独学で行う土地家屋調査士試験 体験記⑦
現在:勉強期間8.5ヶ月、勉強時間458時間(前回から+40時間)
こんにちは。とと丸@famiru99 です。
今回は勉強することがいやになってしまい、
あまり勉強できませんでした。
どうしても一度やらない日をつくってしまうと、それが続いてしまいます。今回は、結果として二週間やらなくなってしまいました。
毎日かかさず続けることが大事ですね。
○今回、使用した教材の評価
さて今回は記述(土地)の問題を解きました。使用した教材を評価します。
オススメ度合:★★★★★
理由
市販のものが少ないなか、この問題集は一冊であらゆる問題に対応しており非常にコスパが優れているので、必ずやった方がいいと思います。
ただ、登記申請書を全部書かないなど、登記申請書の勉強といった点では物足りないものとなってしまっています。
また実際の問題より多少簡略化しているので、そこは過去問などで勉強するとよいと思います。
※今回は土地のみの評価です
②調査士 書式過去問マスター(土地編)
オススメ度合:★★★★✩
理由
問題の内容毎に解けるようになっているので、理解がしやすいです。ただ、昭和の問題など、古い問題は現在のものと傾向が違う箇所があるので、そこは不要かなと思います。
○気づいたこと
①記述式の問はパターンが少ないので難しいものではありません。
特に近年は易しい問題が出題されているので、時間をかければ必ず理解できます。
一方、時間内で完成させることは訓練が必要です。
②複素数を理解すれば、基本的には方程式を使う必要がありません。
ごくまれに、面積が同じになるような位置を探すなど、方程式が必要になる
こともあります。
③筆界を出す毎に少数第3位を四捨五入すればよく、フル桁で最後まで計算する
必要はありません。
④作図を全ての問題でやっていると、多大な時間を要しますので、一度慣れてきたら
完成図を見るのみですますことが大事だと考えます。
⑤昭和の時の過去問は現在のものと違うところが多いので、やらなくてもよいかもしれません。
⑥作図において罫線は必要ないと他の受験生から教わりました。かなりの時間短縮になります。
○最後に
残すところ100日となりました。いまだ記述の建物はほとんど勉強していないので間に合うかどうかギリギリなところです。
模試は受けていませんし、通しで間に合うかの確認ができていないのは非常に不安なところです。
皆さん一緒に頑張りましょう。